2008/12/01

地域の人たちとともに地域の医療を支えていきたい

 約半年で20〜30人の患者さんを担当しましたが、最初に担当した患者さんが印象に残っています。脳梗塞で入院されたのですが、肺がんもあり、低酸素血症も抱えていました。すでに手術できる段階ではなく、ご本人は自宅で飼っている小鳥の世話などをしながら最期を迎えたいと希望されていました。担当医として、本当に帰して大丈夫なのかーー酸素をつけるのを忘れてしまわないだろうか、何かよくないことが起こるのではないか等々、ずいぶん考えました。でも、ほとんど治療もできないのに、病院のベッドで寝たきりの生活を送るより、自分のしたいことができる生活をしたほうがいいのではないかと、退院となりました。今は、ご自宅で楽しそうに過ごされているとうかがっています。

 地域医療に携わっていきたいと思っているので、研修中に内科一般のことはある程度できるようになっていきたいと思っています。特に病状の見極め、最初にどのような治療をすればいいのか、緊急性があるのかないのか、すぐに入院させたほうがいいのか、あるいは専門病院へ送ったほうがいいのかなどを的確に見極められるようになりたいですね。
 埼玉協同病院は、30年前このあたりに病院がなかったので、地域の人たちがお金を出しあってできた病院です。今でも皆さんの出資金で新しい機器をそろえたり、建物を新築したりしています。
 現在、埼玉行動病院では、10人ものケースワーカーを擁しています。約400床の病院としては、多い数です。というのも、退院後のことも重要視しているからです。退院してもすぐに働けず収入のめどがない人に生活保護の提案をしたりなど、退院後も何とか生活できるようにとケースワーカーががんばっています。これは、この病院ならではの誇れるところです。
 
 高齢化が進む一方、医療費抑制・社会保障費削減が加速しています。そんな中、この病院は「差額ベッド代」をもらわない病院であり続けられるよう、地域の人たちのために医療を提供しつづけられるようにがんばっています。
 医師不足といわれていますが、特に埼玉県は人口あたり医師数が日本一少ない県です。この病院も医師不足です。しかし、厳しい状況でも、地域のための病院の医師として懸命に働いています。地域医療をめざそうという方には、ぜひ埼玉協同病院にきてほしいと思います。一緒に働きましょう。
<T.H.>